
カディラキャピタルマネジメント株式会社(以下「当社」)は、「インベストメントチェーンを先へとつなぐ」をミッションに掲げ、地球環境と社会の課題を解決するとともに、お客様に質の高い投資リターンを提供することを目指しています。
日本版スチュワードシップ・コードが掲げる投資先企業の持続的成長を促し、かつ顧客・受益者の中長期的な投資リターンの拡大を目指すという基本理念は当社の経営理念と合致するものであるため、当社はこれを積極的に受け入れ、その諸原則に対する当社の対応方針を公表しております。
この度、2023年7月から2024年6月の1年間における当社の日本版スチュワードシップ・コードの対応状況に対する自己評価を以下の通りまとめましたので、報告いたします。
原則1
機関投資家は、スチュワードシップ責任を果たすための明確な方針を策定し、これを公表すべきである。
当社が運用する投資戦略の投資候補となる企業は、世の中の持続性向上に貢献しつつ、自らが発展できる企業です。当社では当該企業並びに将来的に当該条件を満たすことが見込まれる企業に対して、直接の対話を軸としたエンゲージメントと株主総会における議決権行使の二つの活動を通じて、経営の改善を促すことにより機関投資家としてのスチュワードシップ責任を果たして参ります。
当社は2024年1月より、新規に上場日本株ファンドの運用を開始いたしました。運用開始前から企業との対話を行い、投資対象企業に対して経営改善努力を促しました。また運用開始以降は株主総会における議決権行使の指図を行い、株主としての意思表示を行いました。
原則2
機関投資家は、スチュワードシップ責任を果たすうえで管理すべき利益相反について、明確な方針を策定し、これを公表すべきである。
当社は、環境、社会、株主を含む投資先企業のステークホルダーがバランスよく発展することを重視します。よって、スチュワードシップ責任を果たす際には、ステークホルダーの一部のみが利益を得ることを望むことがないように注意を払います。
また、当社が経営上の関係がある企業に対して投資判断や議決権行使を行う際の手順については、社内規程を定めてこれに従い、社外のアドバイザーに意見を求めることで実効性を高めます。
なお、当社は独立系の資産運用会社であり、私たちが展開するスチュワードシップ活動に影響を及ぼす特定の企業グループは存在しないため、顧客・受益者との利益相反は限定的です。
当社は独立系の資産運用会社として、構造的に投資対象企業と利益相反の関係が発生しにくい立場にあります。実際に過去一年の期間において、投資判断や議決権行使において、利益相反が問題になる事例は発生しませんでした。
原則3
機関投資家は、投資先企業の持続的成長に向けて、スチュワードシップ責任を果たすため、当該企業の状況を的確に把握すべきである。
当社の調査活動の中心は投資対象企業についての投資仮説の構築と検証です。投資仮説とは、投資対象企業の財務面、非財務面におけるファンダメンタルズ変化と株価変動のシナリオ予測のことを指します。投資仮説構築の際は、当該企業が環境や社会の変化から受ける影響と、その反対に企業が環境や社会を含む各種ステークホルダーに与える影響についても考慮します。また、当社のエンゲージメント活動が企業に与える影響も投資仮説を考える際の要素に含みます。
当社は過去一年、404件の企業調査活動を行いました。また、株式投資における非財務情報の重要性が高まる中で、PRI(責任投資原則)やGIIN(Global Impact Investing Network)を始めとしたサステナブル投資、インパクト投資のセミナーイベントに参加するなど情報収集を積極的におこないました。
原則4
機関投資家は、投資先企業との建設的な「目的を持った対話」を通じて、投資先企業と認識の共有を図るとともに、問題の改善に努めるべきである。
当社は、投資担当者による直接のエンゲージメント活動を通じて、投資先企業の活動が好循環を生むように側面支援を行います。また、不祥事が起きた場合やステークホルダーに不利益が生じている場合は、その状況が解消されるように働きかけます。
投資先企業との対話に当たっては、他のステークホルダーと協働して行うことが有益であると判断される場合は、これを選択肢に含めます。
当社は過去一年、270件の個別ミーティングを行いました。なお、これは上述の調査活動件数の内数になります(当社では投資担当者がエンゲージメント活動を行っているため、一回のミーティングが調査とエンゲージメントの両方の目的を有しています)。
当社は個別ミーティングの後にアンケートを行い、対話が適切に行われたかどうかを確認しています。2023年7月から2024年6月の間に行ったミーティングにおいては、当社とのミーティングにおいて「重要な点に話題が及びましたか」という質問に対しては、97.6%の回答者が「はい(重要な点に話題が及んだ)」と回答しました。また企業側にとって「重要な論点」な何かという質問に対しては74.3%が中長期方針、56.3%がサステナビリティと答えています。これらの結果から、当社が実施した企業とのミーティングにおいては、中長期目線での対話が有効に行われたことが推定できます。なお、当該期間におけるアンケートの回答率は72.3%でした。
原則5
機関投資家は、議決権の行使と行使結果の公表について明確な方針を持つとともに、議決権行使の方針については、単に形式的な判断基準にとどまるのではなく、投資先企業の持続的成長に資するものとなるように工夫すべきである。
当社は議決権行使にあたって、対象企業の株主及びステークホルダーの利益を考慮して指図を行うことで持続可能な環境や社会の構築に貢献し、結果として長期的な顧客利益に資することを目指します。
当社では、企業選定プロセスにおいて経営方針に賛同した上で投資を行っているため、経営陣の方針を尊重することを基本とします。ただし、株主及びステークホルダーの利益に反すると考えられる議案に対して明確な説明がない場合は、反対あるいは棄権の意思表示を行います。
当社は、議決権行使活動の透明性を確保するため、原則として一年に一回、議決権行使結果を自社ウェブサイトにて開示を行います。開示においては個別の議案について開示を行い、反対議案についてはその理由も併せて開示します。
当社は2024年1月のファンド運用開始以降の投資先の株主総会議案の全件について、運用担当者が個別に判断し議決権を行使しました。
なお、議決権行使結果はこちらです。
原則6
機関投資家は、議決権の行使を含め、スチュワードシップ責任をどのように果たしているのかについて、原則として、顧客・受益者に対して定期的に報告を行うべきである。
当社は、運用報告資料及び顧客・受益者との面談の場において、エンゲージメントと議決権行使についての活動実績を報告します。活動実績の報告については対話の件数など数値データに加え、活動内容の詳細が伝わるように事例を文章化して報告内容に含めます。
当社では運用を受託しているファンドの顧客向け資料や、顧客とのミーティングを通じて、活動の報告をおこなっています。また、自社ウェブサイトやソーシャルメディアにおいても活動内容の紹介を行っています。具体的にはこちらを参照ください。
原則7
機関投資家は、投資先企業の持続的成長に資するよう、投資先企業やその事業環境等に関する深い理解のほか運用戦略に応じたサステナビリティの考慮に基づき、当該企業との対話やスチュワードシップ活動に伴う判断を適切に行うための実力を備えるべきである。
当社では、投資先企業に対するエンゲージメントや議決権行使を適切に行うために、中心的な役割を担う投資運用部における体制整備及び人材育成を行っています。
体制整備において最も重要な点は社内全体で投資哲学を共有することにあります。その上で投資、エンゲージメント、議決権行使の各業務を一貫したプロセスで行うとともに、適時プロセスの改善を図ることによって、時間の経過とともに体制が強化されるよう努めます。
人材育成については、社内において企業調査や企業との対話手法についてのトレーニングプログラムを整備することに加え、社外での教育機会を積極的に活用することによって、投資運用担当者のスキル向上を図ります。
上記、各項目の実施については、取締役会が監督を行う体制としています。一年に一回、実施状況について投資運用部が自己評価を行い、取締役会に報告した上で、その内容をウェブサイト上で公表します。
当社の運用担当者は日次及び週次でミーティングを行い、投資哲学及び具体的な投資アイデアの共有をはかっています。また、全社対象にコンプライアンス研修やサステナビリティ研修を行うことで社内全体の対応力の強化に努めています。
社外のアドバイザー5名と定期的にミーティングを行い、当社の活動について客観的なフィードバックを仰いでいます。時折、厳しい指摘がなされることから、アドバイザーの存在が自己規律を高めることに効果的な役割を果たしていると考えられます。
次世代育成策として、将来的な採用候補とのつながりを持つことや、人材育成システムの整備を進めることを目的として、学生インターンを2名受け入れました。
また、インパクトコンソーシアム、インパクト志向金融宣言などのイニシアチブに参加することで、社外との関係構築を通じた実行力の強化にも努めました。
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