2025/8/29

2025年スチュワードシップコード自己評価

カディラキャピタルマネジメント株式会社(以下「当社」)は、「インベストメントチェーンを先へとつなぐ」をミッションに掲げ、地球環境と社会の課題を解決するとともに、お客様に質の高い投資リターンを提供することを目指しています。

日本版スチュワードシップ・コードが掲げる投資先企業の持続的成長を促し、かつ顧客・受益者の中長期的な投資リターンの拡大を目指すという基本理念は当社の経営理念と合致するものであるため、当社はこれを積極的に受け入れ、その諸原則に対する当社の対応方針を公表しております。

この度、2024年7月から2025年6月の1年間における当社の日本版スチュワードシップ・コードの対応状況に対する自己評価を以下の通りまとめましたので、報告いたします。

原則1

機関投資家は、スチュワードシップ責任を果たすための明確な方針を策定し、これを公表すべきである。

当社が運用する投資戦略の投資候補となる企業は、世の中の持続性向上に貢献しつつ、自らが発展できる企業です。当社では当該企業並びに将来的に当該条件を満たすことが見込まれる企業に対して、直接の対話を軸としたエンゲージメントと株主総会における議決権行使の二つの活動を通じて、経営の改善を促すことにより機関投資家としてのスチュワードシップ責任を果たして参ります。

当社は日本版スチュワードシップ・コードに基づき、スチュワードシップ責任を果たすための方針をホームページに公表しています。方針に従い、企業との対話を行い、投資対象企業に対して経営改善努力を促しました。また株主総会における議決権行使の指図を行い、株主としての意思表示を行いました。

 

原則2

機関投資家は、スチュワードシップ責任を果たすうえで管理すべき利益相反について、明確な方針を策定し、これを公表すべきである。

当社は、環境、社会、株主を含む投資先企業のステークホルダーがバランスよく発展することを重視します。よって、スチュワードシップ責任を果たす際には、ステークホルダーの一部のみが利益を得ることを望むことがないように注意を払います。

また、当社が経営上の関係がある企業に対して投資判断や議決権行使を行う際の手順については、社内規程を定めてこれに従い、社外のアドバイザーに意見を求めることで実効性を高めます。

なお、当社は独立系の資産運用会社であり、私たちが展開するスチュワードシップ活動に影響を及ぼす特定の企業グループは存在しないため、顧客・受益者との利益相反は限定的です。

当社は独立系の資産運用会社として、構造的に投資対象企業と利益相反の関係が発生しにくい立場にあります。実際に過去一年の期間において、投資判断や議決権行使において、利益相反が問題になる事例は発生しませんでした。

 

原則3

機関投資家は、投資先企業の持続的成長に向けて、スチュワードシップ責任を果たすため、当該企業の状況を的確に把握すべきである。

当社の調査活動の中心は投資対象企業についての投資仮説の構築と検証です。投資仮説とは、投資対象企業の財務面、非財務面におけるファンダメンタルズ変化と株価変動のシナリオ予測のことを指します。投資仮説構築の際は、当該企業が環境や社会の変化から受ける影響と、その反対に企業が環境や社会を含む各種ステークホルダーに与える影響についても考慮します。また、当社のエンゲージメント活動が企業に与える影響も投資仮説を考える際の要素に含みます。

当社はこの1年間で、682件の企業調査活動を実施しました。企業との面談では、経営陣やIR、サステナビリティ担当者との対話に加え、現場見学や外部専門家を交えた議論などを通じ、投資先企業の状況把握に努めています。

さらに、当社の投資活動が社会にどのような影響を与えているかを把握するため、投資先企業が生み出すインパクトの計測・管理(IMM:Impact Management & Measurement)に取り組み、そのデータを活用して企業価値の評価も行っています。

また、株式投資において非財務情報の重要性が高まる中、インパクト志向金融宣言をはじめとするサステナブル投資やインパクト投資に関するセミナーやイベントにも積極的に参加し、情報収集に努めました。

 

原則4

機関投資家は、投資先企業との建設的な「目的を持った対話」を通じて、投資先企業と認識の共有を図るとともに、問題の改善に努めるべきである。

当社は、投資担当者による直接のエンゲージメント活動を通じて、投資先企業の活動が好循環を生むように側面支援を行います。また、不祥事が起きた場合やステークホルダーに不利益が生じている場合は、その状況が解消されるように働きかけます。

投資先企業との対話に当たっては、他のステークホルダーと協働して行うことが有益であると判断される場合は、これを選択肢に含めます。

当社は過去1年間において、523件の個別ミーティングを実施しました(この件数は、前述の調査活動件数に含まれております)。当社では、投資担当者がエンゲージメント活動も担っているため、各ミーティングは調査とエンゲージメントの双方の目的を兼ねております。

ミーティングの主な議題としては、インパクトおよび情報開示に関する事項、ESGリスクに関する論点等が挙げられます。エンゲージメントの成果確認につきましては、当該企業のPBRや、当社独自のサステナビリティスコアの推移を継続的にモニタリングしております。あわせて、対話の適切性を検証する目的で、ミーティング後に当該企業に対するアンケートも実施しております。2024年7月から2025年6月の期間に実施したミーティングに関するアンケート結果では、「重要な点に話題が及びましたか」との問いに対し、96.5%の回答者が「はい(重要な点に話題が及んだ)」と回答しております。また、「企業にとって重要な論点は何か」という質問に対しては、77.0%が中長期方針、52.2%がサステナビリティと回答しており、中長期的な視点に立った有効な対話が実現されているものと考えております。なお、当該期間のアンケート回答率は57.1%でした。

さらに、当社はアセットオーナーおよび他の運用会社の運用部門・サステナビリティ部門の担当者をお招きし、協働対話のミーティングも主催しております。2024年7月から2025年6月の期間に4件を開催し、延べ67名(スピーカーを除く)にご参加いただき、活発な質疑応答が行われました。

 

原則5

機関投資家は、議決権の行使と行使結果の公表について明確な方針を持つとともに、議決権行使の方針については、単に形式的な判断基準にとどまるのではなく、投資先企業の持続的成長に資するものとなるように工夫すべきである。

当社は議決権行使にあたって、対象企業の株主及びステークホルダーの利益を考慮して指図を行うことで持続可能な環境や社会の構築に貢献し、結果として長期的な顧客利益に資することを目指します。

当社では、企業選定プロセスにおいて経営方針に賛同した上で投資を行っているため、経営陣の方針を尊重することを基本とします。ただし、株主及びステークホルダーの利益に反すると考えられる議案に対して明確な説明がない場合は、反対あるいは棄権の意思表示を行います。

当社は、議決権行使活動の透明性を確保するため、原則として一年に一回、議決権行使結果を自社ウェブサイトにて開示を行います。開示においては個別の議案について開示を行い、反対議案についてはその理由も併せて開示します。

当社は投資先の株主総会議案の全件について、運用担当者が個別に判断し議決権を行使しました。

なお、議決権行使結果はこちらです。

 

原則6

機関投資家は、議決権の行使を含め、スチュワードシップ責任をどのように果たしているのかについて、原則として、顧客・受益者に対して定期的に報告を行うべきである。

当社は、運用報告資料及び顧客・受益者との面談の場において、エンゲージメントと議決権行使についての活動実績を報告します。活動実績の報告については対話の件数など数値データに加え、活動内容の詳細が伝わるように事例を文章化して報告内容に含めます。

当社では、運用を受託しているファンドに関する顧客向け資料の作成や、顧客とのミーティングを通じて、活動内容のご報告を行っております。過去1年間においては、クライアントおよび潜在的な投資家との個別ミーティングを55件実施いたしました。

また、ミッション達成に向けた取り組みの進捗をご報告する目的で、「プログレスレポート」を発行しております。さらに、インパクト志向金融宣言や社会的インパクト・マネジメント・イニシアチブ(SIMI)等の場において登壇し、幅広いステークホルダーへの情報発信にも努めております。加えて、「ステークホルダーとの対話の進め方と経営戦略への実装」と題し、ILO、環境NGO、企業のサステナビリティ専門家をスピーカーとしてお招きしたセミナーを主催いたしました。このほか、自社ウェブサイトやソーシャルメディアにおいても、当社の活動内容をご紹介しております。具体的な情報につきましては、こちらもあわせてご参照ください。

 

原則7

機関投資家は、投資先企業の持続的成長に資するよう、投資先企業やその事業環境等に関する深い理解のほか運用戦略に応じたサステナビリティの考慮に基づき、当該企業との対話やスチュワードシップ活動に伴う判断を適切に行うための実力を備えるべきである。

当社では、投資先企業に対するエンゲージメントや議決権行使を適切に行うために、中心的な役割を担う投資運用部における体制整備及び人材育成を行っています。

体制整備において最も重要な点は社内全体で投資哲学を共有することにあります。その上で投資、エンゲージメント、議決権行使の各業務を一貫したプロセスで行うとともに、適時プロセスの改善を図ることによって、時間の経過とともに体制が強化されるよう努めます。

人材育成については、社内において企業調査や企業との対話手法についてのトレーニングプログラムを整備することに加え、社外での教育機会を積極的に活用することによって、投資運用担当者のスキル向上を図ります。

上記、各項目の実施については、取締役会が監督を行う体制としています。一年に一回、実施状況について投資運用部が自己評価を行い、取締役会に報告した上で、その内容をウェブサイト上で公表します。

 

当社の運用担当者は、日次および週次でミーティングを開催し、投資哲学や具体的な投資アイデアの共有に努めています。さらに、全社を対象としたコンプライアンス研修やサステナビリティ研修を通じて、社内全体の対応力強化にも取り組んでいます。

また、社外アドバイザー5名との定期的なミーティングを通じて、当社の活動に対する客観的なフィードバックを受けています。時には厳しい指摘もあり、アドバイザーの存在は当社の自己規律を高める上で重要な役割を果たしています。アドバイザーの1人からは、投資プロセスに対するアカデミックな視点からの指摘を受けており、サステナビリティ関連情報の開示を促すアプローチが学術的にも有効であるとの評価をいただいています。

次世代育成策としては、将来的な採用候補とのつながりを築き、人材育成システムの整備を進める目的で、学生インターンを1名受け入れました。

さらに、インパクト・コンソーシアム、インパクト志向金融宣言、社会的インパクト・マネジメント・イニシアチブ(SIMI)などのイニシアチブに参加し、社外との関係構築を通じて実行力の向上にも努めています。こうした活動の一環として、当社独自の「インパクト統合価値(IIV)」の開発・運用で得られた知見を、ウェブサイトやセミナーで積極的に発信し、資本市場で注目が高まるインパクト考慮に向けた議論の活性化にも貢献しました。参加者から寄せられたフィードバックを活かし、スチュワードシップ活動の改善にも取り組んでいます。詳細は「プログレスレポート」をご参照ください。

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