2025/4/11

株式会社タイミーとの対話

カディラキャピタルマネジメントは、社会的インパクトに重点を置きながら、株式会社タイミー(以下、「タイミー」)と深い対話を行っています。単なる財務情報の確認にとどまらず、スキマバイトの社会的意義や雇用の未来に関する視点からエンゲージメントを実施しています。

カディラの投資対象企業との対話における特徴は、外部ステークホルダーを巻き込んだウェビナーを主催し、透明性の高い対話の場を提供している点や、創業理念や将来ビジョンに立ち返るような対話を通じて、企業の本質的な価値向上を共に考える姿勢にあります。

企業概要

タイミーは、人材マッチングプラットフォームを運営する企業です。「スキマバイト」と呼ばれる、余暇時間を活用して働きたい個人に対し、短時間の労働機会を提供しています。一方で、人材不足に悩む企業にとっては、業務のピーク時(例:飲食店のランチタイム)に必要な人員を数時間単位で確保することができ、生産性向上につながる有効なソリューションとなっています。

2017年、当時大学生だった小川嶺CEOが創業し、2024年末時点で登録ワーカー数は1,000万人、流通総額は900億円を超え、スキマバイト領域において国内最大のプラットフォームへと成長しました。また、2024年7月には、創業からわずか7年で東京証券取引所グロース市場への上場を果たし、現在もさらなる発展に向けて成長を続けています。

競合としては、パーソルホールディングスやメルカリなどが展開する類似サービスが挙げられます。その中でタイミーの強みは、スキマバイト市場における先行企業として市場開拓を進めてきたことによる、圧倒的な「第一想起」のポジションを確立している点にあります。加えて、スキマバイトを初めて導入する企業に対して、数百名規模の専任チームを設け、活用方法の提案や導入支援を行っている点も他社にはない強みです。

社会的価値

タイミーは、日本において深刻化する人手不足の解決に貢献しています。上述のとおり、特に繁閑差の大きい業種において、業務のピーク時に必要な人員を確保することで生産性の向上に寄与しているほか、地方行政と連携し、農業分野での労働力支援にも取り組んでいます。実際に、スキマバイトを通じて農業に従事したことを契機に、地方移住へとつながった事例も確認されており、地方活性化の一助となっています。

さらに、タイミーが実施したアンケート調査によると、同社のサービスを活用する企業では、労働生産性の向上に加え、顧客満足度、従業員満足度、人材育成時間といった多方面においてもプラスの効果が見られています。業務プロセスの改善や、従業員間のコミュニケーション意識の向上を通じ、職場全体の活性化につながっていることが示唆されています(*1)。

タイミーは、もともと小川CEOが「個人が時間を有効活用できるアプリを作りたい」という想いから設立された企業であり、事業展開においても雇用主側へのメリット提供のみならず、働き手が仕事を見つけやすい環境づくりを重視しています。実際、子育て世代を対象としたアンケート(*2)や、シニア世代へのアンケート(*3)においても、「自分の都合の良い時間で働けること」や「健康維持・気分転換のため」といった理由でタイミーを利用しているという回答が多数寄せられています。

一方で、スキマバイトは非正規雇用を助長するのではないかという懸念の声も一部に存在しています。そのため、同社ではこの点にも十分に配慮し、事業を推進しています。具体的には、社内に「スポットワーク研究所」というシンクタンクを設置し、スキマバイトの利用実態に関する調査・報告を継続的に行うことで、事業の社会的意義や影響を客観的に検証しています。

カディラのエンゲージメント

当社は、タイミーと継続的な対話を行っています。通常の個別ミーティングに加え、当社主催にて、タイミーを講師に迎えたウェビナーを開催いたしました。当該ウェビナーでは、タイミーの執行役員でスポットワーク研究所所長を兼任しているの石橋孝宜氏をお招きし、社会的インパクトに関心の高いアセットオーナーやアセットマネージャー、NPO、シンクタンクの関係者を対象に実施しました。

ウェビナーでは、日本の雇用環境における課題と、その中でスキマバイトがどのように課題解決に貢献しているかについて、具体的なデータや調査結果を交えた説明が行われ、参加者との質疑応答も実施しました。参加者からは、タイミーの独自性のある取り組みや、データを収集しながら活動の有効性を検証する姿勢について高く評価する声が多く寄せられました。一方で、上場直後ということもあり、投資家向けのサステナビリティ情報開示がまだ限定的である点については、改善を求める声も確認されました。

また、2025年3月には、小川CEOとの個別面談を行い、中長期的なビジョンや事業戦略について意見交換を行いました。小川CEOは、タイミー創業当時、「個人が余暇時間をより有意義に活用できる選択肢を増やしたい」という想いから、タイミーの事業を構想したことを改めて共有されました。当初は、アプリに空き時間を登録することで、その時間に適した「やること」のリコメンドを受け取れる仕組みを考えており、その中で「はたらく」に特化した形で現在のタイミーが生まれた経緯についてもお話しいただきました。すでにワーカー登録者が1000万人に達しており、その中には頻繁にアプリを利用するアクティブユーザーが多いため、余暇利用についての新たなサービスが受け入れられる素地があると考えています。

現時点では「はたらく」という事業領域に注力しているものの、将来的にはさらに発展的な事業展開を模索していることも伺えました。当社としても、タイミーの中長期的な価値向上に向け、事業戦略や社会的インパクト創出に関する意見交換を継続し、必要に応じて側面支援を行ってまいります。

*1 https://spotwork.timee.co.jp/entry/report/workstyle-reform

*2 https://corp.timee.co.jp/news/detail-1629/

*3 https://corp.timee.co.jp/news/detail-2856/

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