
今回は、オプテックスグループ(6914)について企業概要とカディラが継続的に行っているエンゲージメント活動をご紹介します。
オプテックスグループは1979年に創業したセンサーメーカーで、世界シェア40%である屋外用防犯センサーをはじめ、自動ドアセンサー、検査用LED照明などでグローバルニッチトップの地位を築いています。
現在、同社は単なる製品販売から、システム構築やデータ管理、保守までを一気通貫で提供する「ソリューション提案型ビジネス」への転換を進め、高付加価値化と収益性の向上を図っています。特に足元では、米国のハイパースケーラーが牽引するデータセンター向けの高精度な防犯システムや、社会的な省人化・自動化ニーズを捉えた工場向けの画像検査ソリューションが好調に推移し、同社の成長を牽引しています。
同社は、「見えないものを見るしごと」を通じて安全・安心・快適な社会を創造することを目指しています。その根底にあるのが、世の中の「不安・不便・不満」を取り除き、「安全・安心・便利・満足」に変える「ふ(不)とる」ビジネスという独自のアプローチです。
環境分野の取り組みとしては、同社製品の使用を通じて顧客のCO₂排出削減に寄与する「削減貢献量」を、自社の事業活動で排出するCO₂(スコープ1・2)の4倍以上とすることを目標に掲げています。具体的には、自動ドアの無駄開き防止による空調効率の改善や、環境配慮型の検査用LED照明の拡販を通じて、実際のCO₂削減に貢献しています。さらに、労働人口の減少という構造課題に対しても、自動化技術やAIを取り入れたソリューションの実績を積み上げることで、社会の持続可能性の向上と同社の競争力・ブランド力双方の強化に繋げています。
オプテックスグループは2023年にキーエンス出身の中島氏が社長に就任し、2024年には経営体制を一新、センシングソリューション(SS)事業統括の上村氏が副社長に就任して新中期経営計画が発表されるなど、転換期を迎えていました。経営体制の刷新は、企業の意思決定のあり方や株主への向き合い方が変わりうる契機です。カディラではこうした変化に着目した投資調査を重視しており、同社が目指す姿や戦略を確認するため、滋賀県大津市にある本社オフィスを訪問し、中島社長および上村副社長の両代表との面談を実施しました。
琵琶湖の畔にあるオフィスは非常に明るい雰囲気を保ちつつ、社内レイアウトの変更によりコミュニケーションを活発化させる工夫が見られるなど、以前訪問してからの変化を確認することができました。面談後の製品デモ説明を通じて、各事業の詳細に精通しているトップマネジメントであるとの印象を受ける一方、いくつかの気になった点をお話させて頂きました。
ひとつめの論点として、事業計画がローリング方式であることで中長期の成長ストーリーが伝わりづらくなっている点や、グループの全体像と各事業の位置づけが見えにくい点をお話しし、今後のシナジー創出に向けた中長期ビジョンの明確化を提案しました。もうひとつの論点として、限定的だった非財務情報の開示を体系化すること、製品によるGHG削減や省人化を通じた労働人口減少への貢献を具体的なKPIとして開示することや、統合報告書を発行することの意義についてそれぞれお伝えしました。
その後、社内でも議論が行われたようで、成長性と収益性というハードルを設け、基準に満たない事業は撤退・縮小も含めて見直す「2030年ビジョン」が策定されました。非財務面においても、自社の戦略と紐づいた独自の「サステナビリティハイライト」の発行が実現しています。
またIR活動の面でも開示資料が大きく改善されました。新規投資家向けの基礎資料の整備や、少し分かりづらかった社内用語などに解説がつけられるなど、情報開示の拡充や改善が進められています。
これらは、カディラが重視する現場での情報収集や変化に着目した投資調査および対話のプロセスを示しています。オプテックスグループは経営陣とIR部門の距離が近く、投資家の意見を経営や開示資料にスピーディに反映させる風通しの良い組織文化を持つ企業だと改めて実感しています。
直近のIRミーティングにおいても、データセンター向け事業の競争力や、グループ間シナジーの詳細について、説明を強化してはどうかと伝えました。今後も継続的な対話を行っていく方針です。
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