
カディラキャピタルマネジメントは「インベストメントチェーンを先へとつなぐ」というミッションを掲げて活動しています。ミッション遂行のためには社内外のステークホルダーとの協力関係が欠かせません。私たちは投資対象企業との対話など、活動内容を具体的に開示することで、ステークホルダーとの信頼関係を深めていくことを目指しています。
今月は日立造船とのミーティングにおいて、ブランディング戦略、経営体制、インパクトKPIなどについて対話を行いました。
日立造船は古くは日立製作所傘下の造船企業でしたが、現在は日立製作所との資本関係はなく、環境関連事業を主力とする企業へと転換していることから、社名から受けるイメージとは異なり日立グループでも造船会社でもありません。
カディラキャピタルマネジメントのチーフインベストメントオフィサー(CIO)は前職時代の2020年から同社と対話を重ねてきました。対話の内容は事業ポートフォリオの見直しや、同社の環境ソリューションの強化策など多岐に渡りました。同社はこの間に業績を改善させ、2020年3月期には3.4%だったROEは2022年3月期の実績で11.4%と二桁へと大幅に上昇しました。またCIOは対話の中で、同社の社名が実態と合致していない状況について、企業ブランドを強化することの妨げになるという観点から、変更することを推奨していました。この点については社内でも長く議論が行われて、最終的に2023年9月に「カナデビア」へと社名変更することが発表されました(変更日は2024年10月)。
社名変更は絶好のブランディング機会です。同社は近年、受注施工型中心のビジネスモデルから脱却し、施工後の運営業務などのリカーリング型ビジネスを強化して収益性や業績安定性を高めることを目指しています。従来の社名にあった「造船」という響きは受注生産的なイメージが強いですが、社名変更をきっかけにソリューション企業としてのブランドを定着させることで事業構造転換に弾みがつくことが期待されます。また、人材採用面においても、造船業というイメージが薄まり、環境ソリューション業の企業としての認知が進めば、同社の事業内容に関心を持つ人の就職希望が増えることが期待されます。同社は二酸化炭素回収やバイオガス製造などの脱炭素に貢献する技術を多数有しており、企業実態が認知されれば専門人材の採用にプラスに働くことでしょう。
また、ミーティングの中では、2月上旬に発表された社長交代人事について、私たちがポジティブな印象をもって受け止めたということを伝えました。2024年4月から新たに社長に就任する桑原氏はスイスにある同社子会社のInova社の経営立て直しの中心的な役割を果たした人物です。CIOは以前に桑原氏と面談の機会をもった際に、経営改善についての意欲や、IRに対しての前向きな姿勢を強く感じました。桑原氏がリーダーシップを発揮することで同社の業績動向や株式市場とのコミュニケーションが今まで以上に積極化することが期待されます。なお、桑原氏は同社にとって初めて指名委員会によって指名された社長であり、ガバナンス体制がきちんと機能した結果の役員人事であるということについても、私たちはポジティブな印象を受けています。
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