
カディラキャピタルマネジメントは「インベストメントチェーンを先へとつなぐ」というミッションを掲げて活動しています。ミッション遂行のためには社内外のステークホルダーとの協力関係が欠かせません。私たちは投資対象企業との対話など、活動内容を具体的に開示することで、ステークホルダーとの信頼関係を深めていくことを目指しています。
今月は以下の活動について報告します。
カディラキャピタルマネジメントでは、中古再販を専門とする住宅供給会社、株式会社カチタスへの支援型のエンゲージメントを行っています。
カチタスは、中古物件の買取りとリフォームを行い、その後で販売する企業です。日本全国で事業を展開し、2022年度には6091戸を提供しました。これは、第二位の企業が提供した377戸の約16倍にあたり、国内市場において圧倒的なポジションを築いていることがわかります。
カチタスが向きあう社会課題
まず、カチタスが向きあっている社会課題について見てみたいと思います。日本には空き家が849万戸(2018年)存在していますが、人口減少によってこの数値は今後も急速に増加する見込みで、野村総合研究所の推計では2038年には2000万戸を超えるとされています。
放置された空き家は、倒壊リスク、治安の悪化、景観の劣化などの問題を引き起こすリスクがあります。カチタスは既存住宅を再活用することで今後深刻化が予想される空き家問題の抑制に貢献しています。日本においては住宅流通における中古の割合が14.5%(2018年)とイギリスの86%、アメリカの81%と比較すると極めて低いですが、昨今は住宅購入者の中古志向が高まっているため、カチタスの事業機会は広がっていく可能性があります。
また、空き家問題以外にもカチタスの事業は社会にプラスの影響をもたらしています。例えば、カチタスが提供する住宅は、一般的な新築住宅と比較して約半分の販売価格で提供されるため、中低所得者向けの手頃な価格の住宅を提供することが可能です。加えて環境面においても、カチタスが提供する住宅は新築に比較して木材使用量が87%少なく、CO2排出量は73%少ないなど環境負荷を低く抑えることができます。
インパクト管理の高度化について議論
カチタスとのミーティングの中で、私たちはインパクト管理の高度化について議論をおこないました。同社は2021年からESGレポートを発刊し、2023年にはそれを改良する形で統合報告書を発刊するなど取り組みを強化しているものの、カディラ以外の投資家からのフィードバックが少なく、同社内でのインパクト志向のモチベーションが低下する懸念を抱きました。そこで、カディラではその対策として同社のインパクト計測および開示に対しての支援を充実し始めました。
一つの事例としては、約15名のインパクト分野に精通した有識者を招いた協働エンゲージメントミーティングの実施が挙げられます。以下に、会社側のミーティングに対するフィードバックのコメントを掲載しますが、その内容からは会社側が協働エンゲージメントミーティングを非常に有意義なものとしてとらえていることが感じられます。
<カチタスからのフィードバックコメント>
インパクト投資に関する勉強会の機会をいただき誠にありがとうございました。
勉強会にご参加の皆さまからは忌憚なきご意見をいただくことができ、自社の主観で制作してしまっていたという反省点と自社だけで悶々と悩むのではなく情報の受け手となる投資家様やインパクト投資に関連する皆様との情報交換が如何に有意義であるかを感じることが出来ました。
社会課題を解決しながら事業成長をするというインパクト投資で、より一層カチタスが評価していただくべく、これからもインパクト投資に係る皆さまと勉強会を通じたエンゲージメントを今後も実施させていただけましたら幸いです。
私たちは今後もカチタスに対してのエンゲージメントを続け、同社の価値創造を側面支援していく方針です。
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