2023/9/7

活動報告(2023年8月)

カディラキャピタルマネジメントは、エンゲージメント活動を具体的に開示することで、ステークホルダーとの信頼関係を深め、「インベストメントチェーンを先へとつなぐ」というミッションの遂行を目指しています。

 

今月は以下の活動について報告します。

安川電機との対話

安川電機とのミーティングにおいて、ガバナンス体制や社会的インパクトについて対話を行いました。

ガバナンス面においては社長の指名体制について議論を行いました。同社は現時点では指名委員会が社長を指名する体制になっていません。私たちからはこの点について修正する必要があるのではないかという意見を伝えました。会社側も課題認識を持っていることが確認できたため、今後体制が整備されていくものと推測されます。

インパクトの観点については、安川電機は温室効果ガス排出の削減貢献量を、自社の活動成果を測る指標として役員の評価項目に組み込んでいるため、その点を私たちがポジティブに評価しているという意見を伝えました。また、私たちが独自に開発した企業価値計測ツールを用いて、ポジティブインパクトが企業価値を押し上げるというロジックを示し、インパクト創出が投資家視点でも重要であるという考えを伝えました。

なお、同社は食品業界など従来ロボットを使っていなかった企業において、専門人材がいなくてもロボットを導入できるソリューションを開発しています。このソリューションによってロボットの利用範囲が拡大すれば、人口減少地域における労働力不足が緩和されます。そこから生み出されるインパクトを計測することは簡単ではないと思われますが、活動の意義が理解されると同社の評価が一段と高まることになると考えられることから、開示を充実することを推奨しました。

 

積水ハウスとの対話

積水ハウスは日本でZEH(ゼロエミッションハウス)や五本の樹(多様な植樹の推進)などの取り組みを推進してきました。この点については海外投資家の認知がまだ高くないと思われるため、効果的な情報発信をすることを提案しました。特に五本の樹については生物多様性のためのソリューションとして注目すべき点があるため、注力した方が良いことを伝えました。

同社はアメリカでの住宅市場において災害耐性や環境性能の高い住宅を「シャーウッド」ブランドで展開することで、独自のポジショニングを築くことができるポテンシャルがあると考えています。海外事業展開においても環境重視の姿勢を明確にすることで、同社の活動が世界的に評価される可能性があると思われます。

財務戦略については、キャッシュの使い方に完全の余地があるという点を伝えました。同社の本業である住宅販売は受注生産型であるためキャッシュフローがポジティブになりやすい性質にあります。そこで生じた資金の使い方として、規模拡大のために不動産開発に投資を増やすという方針を掲げることは株価評価にはつながりにくいと考えられます。同社には既存顧客との関係を活かしたサービス事業の強化を促進する余地があると考えられるため、資金使途として不動産投資よりも事業投資を優先すべきで、余剰資金が発生する場合は株主に還元した方が良いという意見を伝えました。

 

リクルートホールディングスとの対話

リクルートホールディングスとのミーティングにおいて同社のソーシャルインパクトの管理方法や認知度向上策についてのアイデア交換を行いました。

リクルートホールディングスは、主力事業である人材関連の事業において独自のインパクトKPIを掲げ、その進捗を開示するなど、組織としてのインパクトを注力する姿勢を明確に示しています。同社が掲げているKPIは「就業までに掛かる時間を半分にする」ということと「障壁に直面する3000万人の採用を実現する」という内容で、KPIを掲げた背景についてウェブサイト(*)や開示資料で詳しく説明がなされています。

ミーティングでの意見交換を経て、更なる改善案を提供するために、私たちからリクルートホールディングスに対して、他のインパクト投資家との意見交換の場を設けることを提案しました。同社からは前向きな反応を得られたことからインパクト志向の高い資本市場関係者15名を招いたセミナーを開催しました。参加者からは、セミナーにおける意見交換に加え、ネットワーキングという点においても意義のある取り組みだったというポジティブなフィードバックが寄せられています。

* https://recruit-holdings.com/ja/sustainability/social-impact/

 

パーソルホールディングスとの対話

パーソルホールディングスは、「はたらいて、笑おう。」というグループビジョンを掲げ、より良い働く環境をプロデュースすべく事業活動に取り組んでいます。私たちは「はたらいて、笑おう。」という同社のビジョンに共感するとともに、その達成に向けたKPIである雇用創出という「量」に加えて、働く人のWell-beingへの貢献という「質」の部分の解像度が上がれば、より意味のある開示になるであろうことを伝えました。同社は人材派遣の事業においては、派遣したスタッフに対して定期的に面談を行うなどのケアを行っています。一方で、人材紹介事業においては求職者の入社後をケアするのは仕組的に簡単ではありませんが、実現できればより良い労働環境を構築することで、最終的には同社の差別化要因にもつながります。同社はグループ内に人的資本についてのシンクタンクであるパーソル総合研究所を有していることから、その知見を積極活用し、事業部門とシナジーを高めることが重要だろうという意見を伝えました。

Learn More

お知らせ一覧へ

重要説明事項:

本ウェブサイトのコンテンツはカディラキャピタルマネジメント株式会社が情報提供のみを目的として作成したものであり、金融商品取引法に基づく開示書類ではありません。また有価証券の取引を勧誘する目的で提供されるものではありません。カディラキャピタルマネジメント株式会社は、本ウェブサイトのコンテンツに含まれた数値、情報、意見、その他の記述の正確性、完全性、妥当性等を保証するものではなく、当該数値、情報、意見、その他の記述を使用した、またはこれらに依拠したことに基づく損害、損失または結果についても何ら補償するものではありません。ここに記載された内容は作成時点のものであり、今後予告することなしに変更されることもあります。また、過去の実績に関する数値等は、将来の結果をお約束するものではありません。このウェブサイトの著作権はカディラキャピタルマネジメント株式会社に属し、その目的を問わず書面による承諾を得ることなく引用または複製することを禁じます。