
カディラの投資運用チームはIRミーティングの後に対応いただいた方にアンケートを実施しています。アンケートではミーティング全般についての感想に加え、その時々で企業経営に重要と思われるトピックについても質問しています。2025年1~3月の四半期は株式報酬についての質問を行いました。
アンケートの集計結果は四半期ごとにまとめて、対応いただいた企業にメール送付にて共有しています。
配信先企業は当四半期においては215社で、それらの3月末の時価総額を合計すると366兆円となります。前四半期の配信先企業数は189社、その合計は2024年12月時点の時価総額合計は329兆円でした。
参考までに企業宛に送ったメールの文面を以下に転載します。
今四半期では、株式報酬の導入状況を確認させていただくため、「対象となる役職」と「導入している理由」について質問をさせていただきました。結果としては、多くの企業で役員クラスに対して、株主意識の醸成やモチベーション向上を目的に、株式報酬が導入されているという状況が確認できました。
●株主報酬の対象役職
・取締役:88.5%
・役員(取締役以外)57.7%
・特定の従業員:26.9%
・全従業員:7.7%
・付与していない:3.8%
(回答数:26社、48件)
●株式報酬を導入する目的
・株主意識の醸成:46.2%
・モチベーション向上:34.6%
・優秀な人材の確保:15.4%
・報酬底上げ:0%
・安定株主の確保:0%
・その他:3.8%
(回答数:26社)
今回の調査では回答企業のうち約9割が株式報酬を導入していることが確認されました。経団連のレポート(*1)によれば、2023年時点での全上場企業における導入数は約6割でしたが、今回の結果はそれを上回る比率となり、普及が促進している様子が見て取れます。当社のアンケートは調査対象が限定的であるため、全体傾向とのズレが生じている可能性は否定できませんが、少なくとも株式報酬が日本企業において常識な報酬手段になっているということは言えそうです。
*1 https://www.keidanren.or.jp/policy/2024/002_honbun.pdf
また、株式報酬を導入する目的として約半数が「株主意識の醸成」を最重要のものと考えていることが確認できました。役職員が株式を付与された場合、数年後の企業価値上昇に意識が向くようになります。コスト削減に頼った利益捻出、不要な資産の保有、将来キャッシュフローに結びつかない投資などについて、疑問を抱くようになり、結果として会社全体が企業価値向上を目指していくようになることが期待されます。
「モチベーション向上」、「優秀な人材の確保」を合わせると、こちらも約半数を占める結果となりました。株式を付与することで帰属意識の向上につながります。人的資本が組織の競争力を左右する時代においては、こちらも重要な視点だと言えるでしょう。
昨今、企業の経営者やIR担当者と対話をしている中で、資本市場参加者の視点や要望について、深く理解されている方が着実に増えていると感じます。コーポレートガバナンス・コードが制定されて今年でちょうど10年が経過し、コードに記載されている内容が、個人レベルにも浸透してきている様子がうかがえます。個人の意識向上は、最終的に組織全体の底上げになるため、当社ではこの流れが最終的に企業価値の向上につながることを期待して動向をフォローしていく方針です。
○今回のミーティングでは御社にとって重要な点に話題が及びましたか?
・はい:100%(前回100%)
・いいえ:0.0%(前回0.0%)
・どちらともいえない: 0.0%(前回7.7%)
○今回のミーティングで御社にとって重要だった論点は、以下のうちどれですか(複数回答可)
・中長期方針:69.2%(前回80.6%)
・サステナビリティ:53.8%(前回64.5%)
・事業の詳細:38.5%(前回51.6%)
・経営理念:11.5%(前回29.0%)
・財務情報:15.4%(前回16.1%)
・その他:19.2%(前回12.9%)
○次回、弊社とミーティングを行う際に対応いただける可能性のある方を選んでください(複数回答可)
・IR担当者:92.3%(前回90.3%)
・サステナビリティ担当者:42.3%(前回41.9%)
・担当役員:53.8%(前回61.3%)
・経営トップ:26.9%(前回5.8%)
・事業責任者:11.5%(前回3.2%)
・社外取締役:7.7%(前回3.2%)
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