
今月は、味の素との対話についてご報告します。
味の素は調味料の国内最大手です。アミノ酸を活用した加工食品、冷凍食品、バイオや動物用の飼料、半導体向けの絶縁材料製造など多彩な事業領域を有しています。海外進出も早く、130以上の国と地域で事業展開をしており、特にアジア圏の調味料市場では高いシェアを獲得しています。
味の素は2020年に新たなグループビジョンを掲げて、2030年までに「10億人の健康寿命延伸」と「環境負荷の低減50%」のアウトカム目標を設定しました。
「10億人の健康寿命延伸」は、うま味調味料の提供人数と、減塩製品あるいはたんぱく質摂取に役立つ製品の提供人数の合計人数で達成する方針です。カディラではこのKPIは同社ならではの強みであるアミノサイエンス®を活かした社会課題解決であると同時に、提供人数の拡大や製品単価上昇による経済的価値の向上につながることから、同社の社会的インパクトを把握するKPIとして、その進捗状況を記録し管理しています。2024年度には同人数は9.4億人に達し、2030年目標に近づいてきていることから、新たな目標設定について会社との対話を行ないました。具体的には、健康寿命延伸の貢献人数について更に上を目指すのか、調味料や食品以外の売上構成比も高まってきていることからグループ全社のKPIとしては別のものが良いのか、あるいは関連売上の規模はまだ小さいが独自性や追加性のあるビジネスのKPIを設定するのか、などの点について議論しました。
カディラでは同社の取り組みの中で、追加性(インパクトへの追加的な貢献の高さ)の観点から二つの製品に注目しています。一つはバイオスティミュラントという植物の自然な力を引き出す農業資材です。バイオスティミュラントは、環境ストレスを緩和し、収量向上や環境負荷低減が期待されており、現在の販売量から試算すると小麦の場合、年間5000万人分の食料に貢献するというデータもあります。もう一つは、牛用アミノ酸リジン製剤で、飼料に混ぜると牛のゲップを抑制し1頭あたり1トンのCO2削減する効果もある様です。これら、バイオスティミュラントやアミノ酸リジン製剤などを通じた農業への貢献も、味の素が取り組む社会課題解決の活動であるため、その進捗を注視していく方針です。
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