
日本の株式市場は8月前半に急落しました。TOPIXは8月2日に6.1%、週明けの5日に12.2%と歴史的な下落率を記録し、瞬間的に月初来の騰落率が20%を超えました。今回の株価急落のきっかけは為替市場が一転して急激な円高となったことにあります。アメリカの長期金利が低下傾向となり日米金利差が縮小傾向にあったところに、日本銀行が利上げを行ったことが後押しとなって160円台だったドル円相場は140円台前半へと急落しました。
幸い、株式市場はその後すぐに落ち着きを取り戻し、底値から月末にかけては23%の上昇となりましたが、ドル円相場は3%の回復に留まっています。8月23日にはパウエルFRB議長が金融政策の調整について明言するなど、アメリカの金利低下傾向はより鮮明になっており、相場の状況の変化を注意深く見る必要がありそうです。
アメリカが金融緩和をすると、世界の資産価値の見方に変化が生じます。2021年からのアメリカの金融上昇局面で、日本においては割安株が高いパフォーマンスを遂げましたが、この状況が変化し、優良企業や成長企業が見直される可能性があります。
また、2021年以降の円安によって、グローバル展開をしている大企業が業績面での恩恵を強く受けましたが、アメリカの金利低下が円高につながるならば、この流れも反転する可能性があります。昨年の平均の為替レートや今期の企業想定レートは1ドル145円前後とみられており、この水準より円高になると、輸出型の事業にとっては前年業績もしくは期初の業績予想に対して減益の要因となることから、短期的な業績の方向性は弱含むことが懸念されます。ただし、購買力平価の為替は108円(*1)であり、1ドル140円台の水準であれば価格競争力に深刻なダメージを与える心配はなさそうです。
円高シナリオがプラスとなるのは、輸入原料価格低下の恩恵を受ける内需型の企業です。足元、日本では人手不足をきっかけに消費者のデフレ意識が転換し、合理的な値上げに理解を示すようになってきたことから、製品力の高い企業は利ザヤを拡大しやすくなるでしょう。
私たちはマクロ環境のみを理由とした投資判断を行いませんが、市場環境の変化は個別企業の業績や価値評価に与えるため常に注視しています。当面は相場急落後の市場環境の変化をしっかりと見極めて、投資活動を行っていきます。
Learn More
2025/9/19
日本版スチュワードシップ・コード第3次改訂:協働エンゲージメントが加速する投資家と企業の対話
2025年6月に、日本版スチュワードシップ・コードは第3次の改訂を迎えました。今回の改訂では、投資家...
2025/7/25
制度改革が拓く成長の源泉:日本におけるジェンダー平等の進展と投資機会
世界経済フォーラムが6月11日に発表した「グローバル・ジェンダー・ギャップ・レポート2025」(*1...
2025/6/27
GPIF報告書から読み解く、エンゲージメントの現在地と課題
昨今、日本市場ではM&Aやアクティビストの活動が活発化しています。持ち合い株解消によって安定...
重要説明事項:
本ウェブサイトのコンテンツはカディラキャピタルマネジメント株式会社が情報提供のみを目的として作成したものであり、金融商品取引法に基づく開示書類ではありません。また有価証券の取引を勧誘する目的で提供されるものではありません。カディラキャピタルマネジメント株式会社は、本ウェブサイトのコンテンツに含まれた数値、情報、意見、その他の記述の正確性、完全性、妥当性等を保証するものではなく、当該数値、情報、意見、その他の記述を使用した、またはこれらに依拠したことに基づく損害、損失または結果についても何ら補償するものではありません。ここに記載された内容は作成時点のものであり、今後予告することなしに変更されることもあります。また、過去の実績に関する数値等は、将来の結果をお約束するものではありません。このウェブサイトの著作権はカディラキャピタルマネジメント株式会社に属し、その目的を問わず書面による承諾を得ることなく引用または複製することを禁じます。
© 2025 Cadira Capital Management