2025/9/19

日本版スチュワードシップ・コード第3次改訂:協働エンゲージメントが加速する投資家と企業の対話

2025年6月に、日本版スチュワードシップ・コードは第3次の改訂を迎えました。今回の改訂では、投資家同士の協働エンゲージメントをより質の高いものにしていくこと、実質株主の透明性を高めること、そして原則をスリム化して形式より実質を重んじる姿勢を明確にすることが主なポイントとなっています。

このコードは2014年2月に初めて制定され、機関投資家が投資先企業と責任ある対話を通じて、長期的な企業価値の向上を支えるための基本的な枠組みとして導入されました。その後、2017年5月の第1次改訂では年金基金などアセットオーナーの役割が改めて位置づけられ、投資家の責任がより具体的に整理されました。続く2020年3月の第2次改訂では、サステナビリティやESGの考慮が明記され、株式以外の資産にも適用できるように拡大されました。また、議決権行使の理由開示が強化され、議決権助言会社や年金コンサルタントといったサービス提供者にもコードが適用されるようになりました。そして2025年の第3次改訂は、こうした流れをさらに発展させ、投資家の行動をより実質的で効果的なものへと進化させる契機となっています。協働エンゲージメントを「重要な選択肢」と位置づけることで、機関投資家と企業の対話をさらに促進する意図が読み取れます。

このような動きを受け、日本企業の対話姿勢にも進化が見られます。たとえばカディラ自身も、昨年来サステナビリティ関連の情報発信をしてきたことが奏功し、関連情報を求める企業から直接対話を依頼されるケースが増えてきました。依頼内容は、サステナビリティ推進に関するアドバイスを求めることに始まり、企業の社内ワークショップで外部有識者として登壇することや、統合報告書の投資家向け説明会で経営者と共に登壇することなど、多岐にわたります。こうした依頼が増えているのは、企業の意識変化の表れと見ることができます。事実、これらの企業は自社の企業価値向上に向けて経営品質を高める意向が強いため、対話を通じて価値向上に貢献できる余地が大きい企業については、投資を行った上で積極的にエンゲージメントを行い、パフォーマンス向上につなげることを目指しています。

今後、企業から選ばれ、依頼を受けられる立場にある投資家は、企業変化を敏感に捉えられる点で、投資判断においても優位に立てる可能性があります。当社にとっては情報発信力や対話力が大きな強みになると考えており、今後もこの力を磨き続けてまいります。

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