
2024年の米国大統領選挙では、住宅問題が重要な争点の一つとなりました。これは、住宅価格や家賃の高騰が特に中低所得層に深刻な影響を与えており、家賃が払えず、立ち退きを迫られるケースも増加しています。このため、各候補者は住宅対策を重要な政策課題としています。特に、民主党ハリス候補は、住宅購入の頭金への財政支援や4年間の任期中に300万戸の新築住宅を供給することを公約に掲げています。
米国住宅市場は、経済の変動や政策の変更に影響を受けやすく、株式市場との関係では、特に今年に入って米国住宅関連企業の株価は米国住宅ローン金利の動きに敏感に反応する展開となっています。
金利水準や政策動向を短期的に予測するのは難しいので、少し長い時間軸で米国の住宅市場の推移について考えてみたいと思います。
まず、需要面ですが、移民の流入増加もあり、米国の人口は増え続けています。米国の推計人口は2024年6月時点で約3億3650万人ですが、これは2000年から比べると約5000万人増えており、2050年には5000万人弱増加する見通しです。また、現在、年齢別で最も人口が多いのが30歳代と、住宅需要が大きい世代が占めています。これらから、潜在的には底堅い需要が継続することが予想されますが、一方で住宅価格の上昇継続や住宅ローン金利の更なる上昇などにより、これらの需要が顕在化しないリスクには留意する必要があります。
また住宅の供給面では、リーマンショック以降の建設着工の抑制や住宅ローン金利の高止まりによる中古住宅の在庫不足などを背景に、継続的に安定して供給不足の状況が当面継続すると考えられます。
このような環境下、資金量が豊富な大手のホームビルダーのシェアが上昇していきています。最大手は米国DRホートンですが、日本の戸建て住宅メーカーが国内住宅市場の伸びが期待できない中で米国に積極展開し、シェアを拡大しています。積水ハウス、大和ハウス工業、住友林業の3社の米国での年間販売戸数は2023年度に合計約3万戸となっており、既に日本国内の合計販売戸数を上回る水準になっています。米国のホームビルダーは効率化が遅れており、日本の各社は得意とする工業化技術による工期短縮やコストメリット、潤沢な資金を背景にシェア拡大を目指しています。継続的な成長が継続ならびに、M&Aによるシェア拡大にも引き続き期待しています。
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