2024/8/2

TOPIXの見直し案について

2024年6月10日、日本取引所グループから、日本の代表的な株式指数であるTOPIXの見直し案が発表されました。見直し案で重要な点は、採用銘柄数の減少、毎年一回見直し、指数の値動きに大きな影響はない、の3点です。それぞれについて詳細を見てみましょう。

一点目の採用銘柄数数については現行の約2100社程度の採用企業が2028年10月に向けて1200社程度に絞り込まれる予定となっています。株式流動性や浮動株比率の基準によって絞り込みが行われます。二点目については、従来定期入れ替え制度がなかったため一度採用された企業はそのまま組み入れられ続ける仕組みでしたが、今後は毎年10月に入れ替えが行われることになります。三点目の値動きについては、新ルールへの移行は2026年から2028年にかけて四半期ごと8回に分けて時間をかけて行うため、市場影響は低く抑えられる見込みです。また、SMBC日興証券によれば過去5年のデータに基づくと現行TOPIXと新ルールでのトラッキングエラーは0.24%にとどまるとのことで、市場に混乱は発生するほどの変化はおきないと予想されます(*1)。

市場全体で大きな混乱は発生しないとしても、個別企業に目を向けると、TOPIXから外れる可能性のある企業にとって影響は小さくありません。TOPIXに連動するファンドからの投資がなくなることになるため株価にマイナスの影響が予想されます。よって、指数採用の当落線上にいる企業(主に中小型株)に対しては、指数採用の生き残り策として株価や株式流動性を高めるというインセンティブが強く働きます。即効性のある施策としては政策保有に代表される安定株主に保有株の売却を促すことです。すでにコーポレートガバナンス改革の一環で政策保有株売却に前向きな企業が増えていますが、今回のTOPIX見直しはこの流れを後押しする力になるでしょう。また、より本質的には上場各社が企業価値を高めていく取り組みを強化することが期待されます。付加価値を高め、サステナビリティ対応を進め、投資家との対話を充実させていくという、正攻法努力をする企業が増えれば経済全体へのよい影響が期待されます。そのような過程においては、企業がIR活動を積極化することが見込まれますので、投資家は企業価値向上をサポートする役割を担うことが求められることになるでしょう。

なお、過去数年の株価推移を見ると、大型株優位の展開が続き、小型株については株価水準としても魅力が高まってきています。過去5年でTOPIXは80%上昇しましたが、企業規模別にみるとパフォーマンスに大きな差が生じました。大型株30社のみで構成されるTOPIX Core 30は106%上昇した一方、小型株で構成されるTOPIX Smallは58%の上昇にとどまっています。更に小型成長株で構成される東証グロース市場250指数(旧東証マザーズ指数)に至っては27%も下落しています。

株価が割安になり危機感を持って価値向上にむけた努力をする企業は、投資機会とエンゲージメント機会をもたらすことから、日本の中小型株は投資対象として魅力が高まっていくと思われます。

Learn More

お知らせ一覧へ

重要説明事項:

本ウェブサイトのコンテンツはカディラキャピタルマネジメント株式会社が情報提供のみを目的として作成したものであり、金融商品取引法に基づく開示書類ではありません。また有価証券の取引を勧誘する目的で提供されるものではありません。カディラキャピタルマネジメント株式会社は、本ウェブサイトのコンテンツに含まれた数値、情報、意見、その他の記述の正確性、完全性、妥当性等を保証するものではなく、当該数値、情報、意見、その他の記述を使用した、またはこれらに依拠したことに基づく損害、損失または結果についても何ら補償するものではありません。ここに記載された内容は作成時点のものであり、今後予告することなしに変更されることもあります。また、過去の実績に関する数値等は、将来の結果をお約束するものではありません。このウェブサイトの著作権はカディラキャピタルマネジメント株式会社に属し、その目的を問わず書面による承諾を得ることなく引用または複製することを禁じます。