
インパクトを企業価値に組み込む手法
カディラは企業価値にインパクトを組み込む独自の手法「インパクト統合価値(Impact Integrated Value、略してIIV)」を開発し、インパクトを考慮した投資プロセスを構築しています。
これは、従来のファンダメンタル分析にネガティブインパクトおよびポジティブインパクトを加味し、企業価値を調整する方法です。独自開発のアルゴリズムを用いたツールで、投資対象企業の価値を評価しています。IIVを使い企業価値にインパクト要素を組み込むことによって、インパクトを考慮した投資判断をすることが可能です。
もし多くの投資家が、IIVと同様な手法を用いるようになれば、ポジティブインパクトを創出する企業が市場で高く評価されるようになります。つまり、市場メカニズムを通じてインパクトが可視化され、企業経営者にインパクト創出へのインセンティブが与えられることになります。
IIVの計算ロジック
IIVの計算ロジックは、DCFモデルを基盤に、カディラ独自の修正を加えて構築されています。
具体的には、将来キャッシュフロー予測の際にポジティブインパクトおよび温室効果ガス排出の潜在コストを反映させることと、割引率推定に各種ネガティブインパクト要素を反映させる方法を用いています。ポジティブインパクトを将来キャッシュフローに反映させる際には、インパクトの質を独自のスコアリング手法で評価して成長期間の予測に反映しています。この方法は「企業が自社に関わる社会課題を適切に解決すれば成長可能な期間が延びる」という私たちの仮説に基づいて構築しています。
ポジティブインパクトをキャッシュフロー予測に反映させるという手法は新しい取り組みであるため、仮説に基づきでモデルを作り、検証と改善を繰り返す取り組みを進めています。
将来予測の根底思想:「持続的均衡」
IIVにおける将来予測はDCFで一般的な「永久成長モデル」ではなく、独自の「持続的均衡」という概念を採用しています。
これは、ある時点で成長が均衡点に達し、その後はゼロ成長になることを前提としたモデルです。ポジティブインパクトに応じて、成長期間が長くなるという調整を加えることで、良質なインパクトを生みだす企業の価値が高くなる結果が導かれます。 私たちが、広く知られた「永久成長モデル」という概念を利用しないのは、それが資源の有限性という現実に反しているためです。また、特定の企業に高い永久成長を求めることは、勝者総取りを助長し、最終的に深刻な格差を生み出すリスクを内包しています。
持続的均衡という概念は、永久成長モデルの非現実性を確認した上で、長期的な発展にはステークホルダーとの協力関係が不可欠であるという価値観を表現しています。「早く行きたければ、一人で進め。遠くまで行きたければ、みんなで進め」というフレーズを引用するのであれば、「みんなで遠くまで行くための方法」を考え抜いてたどり着いたのがIIVの根底にある持続的均衡という考え方です。
(2025年4月更新)
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