
日本では7月20日に参議院選挙が行われました。与党連合の自民党と公明党が議席を大幅に減らしたことで、衆議院、参議院ともに過半数割れの状態となりましたが、投票日前から両党が議席を減らすことが予想されていたため、株式市場は選挙結果に対してほとんど反応しませんでした。なお、女性当選者は42人で、全当選者125人に占める割合は33.6%と、過去最高だった前回2022年の28.0%を上回りました。男女格差のグローバル比較において日本の評価を引き下げる最大の要因である政治分野において、改善の結果が見られたことはポジティブであると言えます。
さて、今回の選挙戦で注目されたのは、反グローバリズムや財政拡大を政策の軸として掲げる参政党の躍進です。今回の結果を受けて、参政党は参議院での議席数を1から15へと大幅に増やしました。参政党の飛躍の理由としてSNSを使った巧みな選挙戦術が挙げられますが、その根底にはインフレや格差拡大に不満を持つ人々に対して、ポピュリズム的な政策の人気が高まっているように見受けられます。この傾向が続くと、中長期的には近隣国との摩擦の高まりや、財政規律の緩みなどの点を懸念する必要が出てくるでしょう。大敗となった自民党では、党内部から石破総理の続投に反対する声が上がりはじめ、政局は不安定な状態となっています。
選挙戦後すぐの7月23日には日米関税交渉について合意が発表されました。直前まで25%の関税が課されるという方向で話が進んでいましたが、新たな合意ではそれよりも低い15%という水準で妥結がなされました。想定よりも日本にとってはポジティブな内容と受け取られ日本の株価は直後に1日で3%以上上昇しました。ただし、合意内容について日米双方の解釈にズレがあるという報道などから、事態が引き続き変化する可能性があると思われます。
政局も関税交渉も企業経営や経済動向に影響を与える要素ではあるものの、状況が極めて流動的であるため、これらの動向を予想して確信度の高い投資判断を行うことは困難です。よって、カディラではこれらのマクロ動向を注視しつつも、投資活動においては個別企業をボトムアップで調査して一社一社の投資判断を積み重ねていくという方針を貫いていきます。
なお、現時点で私たちが注視している領域の一つに需要増加が期待される蓄電池産業があります。蓄電池は技術革新によって単価が下がり、それが新たな用途を生み出し、更なる技術革新につながるというサイクルが生じています。
例えば、系統用の蓄電池、データセンターのバックアップ電源などの用途が成長しています。また、電気自動車は市場に停滞感があるものの、二輪車においては市場拡大が加速し始めています。バッテリーについてはセルメーカーだけでなく、部材メーカー、システムメーカー、蓄電池活用ビジネスなど、様々な事業機会があります。視野を広く調査を進めていく方針です。
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